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【イチから分かる】大阪都構想 府と市を「都」に再編(産経新聞)

 国に対して「ぼったくりバー」というなど、その発言が何かと注目される大阪府の橋下徹知事。就任3年目を迎え、現在積極的に進めているのが「大阪都構想」だ。府と大阪市を再編して特別区を置き、東京のように、大阪を「都」にするつもりだという。この構想に呼応するように府議会内では知事を支持する新会派も誕生。さらに橋下知事が代表を務める地域政党も近く立ち上げられ、構想実現に向けた動きが着々と進む。橋下知事が都を目指す真意は何か。(河居貴司)

 東京都には23の特別区があるが、選挙で選ばれた区長がおり、区議会も置かれている。東京の「区」はいわば「市」と同じような機能を持つ自治体だ。一方、大阪府の場合、府庁所在地の大阪市は政令市のため、24の区が置かれているが、区長は市職員の中から市長が任命し、区議会もない。

 橋下知事が目指す大阪都構想は、政令市の大阪市と、隣接する堺市などの市を再編し、20万〜30万人の人口規模の20区の特別区を設置。区長は選挙で選び、区議会も設ける方針だ。

 橋下知事が大阪都構想を掲げる背景には、大阪市が都道府県並みの予算と権限を持っていることが大阪の発展を妨げる元凶と考えていることがある。

 例えば大阪市内には「府立」「市立」の名が付いた同規模の体育館や博物館といったハコモノ施設がすぐ近くに存在。ムダ遣いの象徴ともいわれている。また、港湾や空港、交通網の整備など府全体にかかわるような重要施策について知事として判断しても大阪市長と意見が異なった場合、その調整に手間取り、必要なときに必要な政策が展開できない恐れがある。

 こうしたムダな投資や、意思決定ののろさが橋下知事にとっては大阪の低迷を招いたと映り、「都市の指揮官は一人で十分」との考えにたどりついた。

 ただ、大阪都構想の実現には高いハードルがある。府議会だけでなく、大阪、堺の両市など関係自治体の議会の賛同も必要だ。

 橋下知事は議会が改選を迎える来春の統一地方選に照準を合わせて地域政党「大阪維新の会」を結成し、独自候補の選定を進め、各議会で過半数を取って一気に再編を図りたい考えだ。

 すでに府議会では今月、22人の議員が知事支持の新会派を作った。今後、周辺の市議会にもこの流れが波及する可能性もある。

 ■繰り返される府市論争

 大阪府と大阪市は昔から仲が悪く、その関係は「府市(ふし)あわせ」と揶揄(やゆ)されてきた。だが、橋下徹知事と在阪民放アナウンサー出身の平松邦夫大阪市長は、同じ民間出身ということもあり、当初は「府市始まって以来の協調関係」とも言われていた。

 その関係が冷え込んだのは、今年の初め、橋下知事が「大阪都」構想のもととなる「府市再編」論を持ち出してから。それまで「100点満点の市長」と持ち上げていた平松市長のことを「政治家としてビジョンがない」とこき下ろした。

 平松市長は大阪都構想に対抗するように、政令市の権限を拡大する「大都市圏州」構想を提示した。平松構想のもとになったのは、磯村隆文・元大阪市長が提唱した「スーパー政令市構想」だったという。

 一方、橋下知事の大阪都構想も、もともとは前任の太田房江知事が提唱したビジョンがベースにある。当時も太田知事と磯村市長の間で激しい論争があったが、府と市という役所同士の主導権争いが見え隠れし、結局感情論のぶつけあいに終始した経緯がある。 今回の大阪都構想が実現するか否かには住民を巻き込んだ論争が必要だ。

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